不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)
著者:鴻上 尚史
9回特攻に行って9回生還した人の話である。
なぜ興味を持ったかというと9回も帰ってきたってすげーと思って
手に取って読んだ。
内容は、佐々木友次さんという9回特攻に行って9回生還した人の実話だ。
確実に死ぬだろうと思われる環境で、
佐々木さんという人は、とても淡々と仕事というか命令をこなしていく印象だ。
今から国のために死ねと言われ、絶対にその命令には背けない状況で、
普通の人であれば、半分鬱のような状態になり、ほとんどうまくいかないと思う。
それでもなるべく冷静にというか開き直っていたからこそ、
佐々木さんという人は帰ってこれたのではないか?
すごく印象に残ったフレーズで
佐々木さんがなぜ生き残れたのか?という問いに対して
「寿命」
と何度も答えていたのが印象的だった。
色々な要素があれど、バタバタと人が死んでくなかなぜ生きているのか?
思い返してみても適切な言葉がなかったんだと思う。
それぐらいにわけわからない時代だったのかもしれない。
また、この本では、
命令する側と命令される側の状態もわかりやすい。
ちゃんとした分析もせず、
とても非合理的に物事が進んでいる感じが伝わってきた。
潰れる前の会社や潰れる会社、うまくいかない会社も、
合理的に物事が進み、自分を守るということだけを考える
馬鹿な奴が足を引っ張る
一緒にしてはおこがましい話だが
この構図は変わらない。
第二次世界大戦の時代の日本は
まさに理不尽の塊。
それは今見ると思うのであって、
当時は理不尽って思えないぐらい洗脳に近い状況だったのだと思う。
教育は怖い。
私の子供達が理不尽という意味もわからず、
死に向かうようなことが絶対にあってはならないと
再確認させられる本だ。
難しいけれど
今は情報が得られる時代なので
いろんな情報を得てフラットに考える。
そういう習慣を付けないと、
いつ自分が、家族が戦時中と同じ境遇に陥るかわからない。
もうすでに、大きな何か(国とか)に気がつかないうちに
誘導されている可能性もあるなー。
日本の情報だけではなく
海外の情報もしっかりチェックしていかないとなー。